2007 年 38 巻 6 号 p. 377-381
授業評価には, 学生による評価 (学生評価), 自己点検評価, 同僚評価および第三者評価などがある.授業評価を実施するにあたっては, その妥当性, 信頼性あるいは公平性を確認することが必要とされる.そこで, 本学の医学教育専任教員あるいは授業評価委員会委員による同僚評価をコントロールとして, 学生評価の信頼性を検討した.
1) 臓器別臨床系コース講義の中から同一学年の24講義を任意に抽出し, 各講義の学生評価, 同僚評価の総合評点, 全般的評価につき相関関係を解析した.
2) 学生による授業評価と同僚評価の総合評点に有意な相関関係が示された (r=0.532, p=0.0056).同様に, 全般的評価においても両者に有意な相関が示された (p=0.0492).
3) 本研究により学生による授業評価の信頼性がある程度示唆された.
4) 学生評価の高い信頼性を確保するためにはその評価基準, 授業評価質問票の妥当性を明らかにする必要がある.