医学教育
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地域医療必修実習における“Significant Event Analysis (SEA) を用いた振り返り”の検討
宮田 靖志八木田 一雄森崎 龍郎山本 和利
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2008 年 39 巻 3 号 p. 153-159

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抄録
地域医療に従事するプライマリ・ケア医の教育を卒前レベルから充実させるために, 現在各大学において地域医療実習の取り組みが始まっているが, そのカリキュラムの中で実際に学生が実際に学んだことに関する研究は本邦ではほとんど行われていない.札幌医大における地域医療実習で学生が学んだことをSEAを用いた振り返りにより検討した.
1) 2006年度の札幌医大5年生で実施された2週間の地域医療実習の最終日にSEAのセッションを持ち, その内容をビデオ録画し分析した.
2) 学生のSEAの内容から地域医療実習で学んだことを抽出しカテゴリー化した.
3) また, 学生が行ったSEAの振り返りの深さを4つのレベルに分類した.
4) 学生は, 医療システム, 医師の役割, 患者中心性, ロールモデル, 臨床倫理について学び, 体験の感想を述べ, 体験を一般化できるレベルの振り返りを行っていた.
5) 地域医療実習では, 個々の医学知識技術的なことよりもシステムに基づく医療プロフェッショナリズムについて学んでおり, これらを把握するのにSEAは有用であった.
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