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Nephronの生体膜
機能と構造
阿部 裕折田 義正安東 明夫高光 義博上田 尚彦福原 吉典三木 茂裕柳瀬 昌弘
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1979 年 4 巻 1 号 p. 2-16

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抄録

腎は生体のhomeostosisのために働き, 老廃物とくに含窒代謝産物の排泄, 水・電解質の排泄・再吸収, 異物の排泄を行うことは以前より知られていた.最近では, 腎は, この他血圧調節 (renin-angiotensin系, prostaglandinの産生), vitamin D活性化, 造血 (erythropoietin産生), 糖新生, などに関与することも知られてきた.しかし, 腎の機能の他に代用できないものは, はじめに述べたものであると考えられる.
これらの機能は血管と密接に関係して存在しているnephron (糸球体とそれに続く尿細管) を一つの構造, 機能上の単位として営なまれている.腎の構造はセキツイ動物に おいて, その生活環境 (水棲, 海棲, 両棲, 鳥類, 哺乳類) に応じかなりの異なりがあるが, nephronという単位があることには変わりはない.そこで本稿では, 哺乳類のnephron (ヒトでは両腎で100-150万個あるとされる) について, 膜の面よりその構造と機能を概説したい.

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