人間・環境学会誌
Online ISSN : 2432-0366
Print ISSN : 1341-500X
日本語版Perceived Restorativeness Scale(PRS)の作成とその妥当性の検討
芝田 征司畑 倫子三輪 佳子
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 11 巻 1 号 p. 1-10

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抄録
本研究では,海外の研究において環境のもつ回復的特性を評価する尺度として利用されているPerceived Restorativeness Scale(PRS)の日本語版を作成した。そして,その尺度を用いて,自然風景場面と都市風景場面を対象に環境の持つ回復的特性の評価を行った。本研究では,156名(男性62名,女性94名)の大学生を対象に,Webアプリケーションを用いた調査を行った。調査では,自然風景場面2種と都市風景場面2種の全部で4つの異なる刺激場面を用い,各刺激場面の回復的特性を日本語版PRSにより評価した。さらに,日本語版PRSの収束的妥当性について検討するために,同じ4つの刺激場面を用いて一対比較法による回復的特性の比較判断を行い,その結果と比較した。その結果,日本語版PRSによるPRSによる回復的特性の評定結果と一対比較による回復的特性の判断結果とには強い相関が見られた。さらに,PRS各下位項目の意図する測定内容と測定結果との間には一貫性が見られ,これらのことから日本語版PRSが妥当性を持つことが示唆された。最後に,本研究の限界点および今後の課題について論じた。
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© 2008 人間・環境学会
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