抄録
本研究は多くの人に共通する東京のイメージを構成している内容を研究した。まず東京に関して多くに経験を持つ群と持たない群の2群で共通する内容を検討した。次に、東京に関して多くの経験を持つ群のイメージを構成物が8年間の間をおいてどの程度共通性があるかを検討にした。つまり、経験あり過去、経験あり現在、経験無し現在の3群の被験者のデータが分析された。イメージの内容は、区の名前を聞いたときに最初に頭に浮かんだことを表現してもらうことによって収集した。反応に現れた内容は、同定、記述、連想、無反応-意見無しの4群に分類することができた。各カテゴリーに属する内容の頻度は、全般的に同定、記述、連想、無反応-意見無しの順番で多い事が示された、各群において、内容の約40%は少なくとも5%の被験者に共通であり、この部分を典型的なイメージと考えた。典型的イメージの約40%は少なくとも3群で共通であった。これらの結果から、東京のイメージには知悉性と時代を超える恒常的な部分が存在することが示唆された。最後に、本研究で明らかにされた各区のイメージの内容と先行研究で明らかにされた区の情動的意味の関係が検討された。