抄録
本研究は,小中連携を意識した,代数カリキュラムの開発を目指すものである。本稿では,「分数の乗除」に焦点をあて,小中連携の代数カリキュラムの中で,特に2nd stage(小学校第5・6 学年,中学校第1 学年)註1 の小学校高学年において有効であると考えられる一つの教育内容(代数的な分数の乗除) を開発し,実際に教育実践を通すことからその妥当性を検討した。その結果,「代数的な分数の乗除」の教育内容は,小学校第6 学年で十分に理解可能であることから,小中連携のカリキュラムの中で,特に2nd stage の小学校高学年における一つの教育内容として妥当性があることが示唆された。