数学教育学会誌
Online ISSN : 2434-8899
Print ISSN : 1349-7332
円柱上の螺旋に関する探究活動を系統的に実現する教材の一考察
小学校から高等学校までの系統性を志向して
佐伯 昭彦松嵜 昭雄川上 貴
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2015 年 56 巻 1-2 号 p. 1-14

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抄録
本研究の目的は,円柱上の螺旋における探究活動について,小学校から高等学校まで系統的に実現する教材を検討することである.そのために,まず,円柱上の螺旋に関する教科書及び先行研究を戦前と戦後に分けて分析した.分析の視点として,池田・渡邊(2010)が示す2段階構成での教材研究を参考とした.つまり,一つの素材を深め広めることを目的とした長期的でグローバルな視点による教材研究を行うとともに,ローカルな視点による教材研究に焦点を当てる方法である.次に,それらの教材分析から円柱上の螺旋に関する教材の小学校段階から高等学校段階までの系統性を見出した.その結果,「円柱上の螺旋の長さ」と 「蔓巻線(螺旋)の傾斜と歩み」に関わる問題について,学校段階の進行に伴い直観的な扱いを深化・発展させるとともに,解析的な扱いの素地作りとなる教材開発の方向性を示した.
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© 2015 (一社)数学教育学会
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