抄録
本研究では, 割合の学習における双方向の見方に関する児童の実態を明らかにし, その実態を考慮した双方向の見方に関する授業の設計を行い,授業の効果を明らかにする。そこで, 割合が未習の小学校第4 学年と第5 学年の児童を対象に,「高さ比べ」の場面を用いて調査を実施した。分析の結果, 児童にとって, 割合による比較において双方向の見方をすることは難しいこと及び2 倍や0.5 倍は着目しやすいことが明らかになった。また,双方向の見方に関する授業実践を通して, 本授業は, 基準量を正しく認識させることにより, 割合の問題解決に効果的であることを明らかにした。