抄録
高校進学率が98%を超え,一部の高校では小中学校の学習内容が十分に身に付いていない生徒も少なくない。また,障害者差別解消法が平成28 年4 月から施行され,高校に在籍する特別な支援が必要な生徒に対しても合理的配慮と基礎的環境整備が求められている。高校数学科においても数学学習に困難がある特別な支援が必要な生徒への指導の工夫や支援が喫緊の検討課題となっている。そこで,本研究では,高校数学科において特別な支援が必要な生徒が多く在籍する学級で実践されている「対話型アクティブ・ラーニング」に着目し,この指導の有効性とその要因を考察した。