数学教育学会誌
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算数科における組立単位に関する小学校教員の理解状況
河崎 雅人松井 愛生小池 守
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2017 年 58 巻 3-4 号 p. 65-73

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抄録

小学校学習指導要領解説算数編には人口密度や速さの単位は組立単位と例示されてはいる が,面積や体積以外の組立単位について,授業で指導されることはない.そこで,単位に着 目した「単位量当たりの大きさ」や「速さ」の指導方法について示唆を得るために,児童を 実際に指導する小学校教員の組立単位に関する理解状況を調査することにした.現職の小学 校教員に対して,(一つ分の数)×(いくつ分)=(ぜんぶの数)に関する問題の解答例を3 種類用意し,それぞれの解答例に記された数値に単位を記述させた.同時に,調査参加者の プロファイルを調査した.その結果,「km/時」等の速さに関する組立単位は,経験年数,算 数や理科の得意・不得意,算数の指導のしやすさには関係なく理解されていたが,速さ以外 の2種の量に対して乗法や除法の演算を行った結果が表わす量の単位についての理解は不足 していることがわかった.

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© 2017 (一社)数学教育学会
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