衛生動物
Online ISSN : 2185-5609
Print ISSN : 0424-7086
ISSN-L : 0424-7086
線状皮膚炎の其の後の状況
副田 動
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1950 年 1 巻 3 号 p. 55-60

詳細
抄録

本邦医学界に線状皮膚炎を発表したのは1917年故旭教授を以て最初とする。その頃於保、渡邊両博士も追加報告をされた。爾来10数年間本症の病源に就いては旭、於保及び其の門下に於いて探求され或は蜘蛛或は蛾等種々考えられたが何等確論に達し得なかつた。然るに1929年布施博士は本症がアオバアリガタハネカクシにより発生する事を自家実験から確證せられた。続いて1932年、伊藤による病理的研究があり、次で我が教室の岸は教室に於て1932年から1933年まで更に故西原は1933年から1938年まで5年間の統計的観察をした。更に1939年、本学上田教授はアオバアリガタハネカクシの毒素に就いて研究し、実験式C_7H_<17>O_3.分子式C_<21>H_<39>O_9なる事を確め、1940-41年同教授は続いて此昆虫の命名はPaederus fuscipes Curtisとするのが妥当であると結論した。私は茲に本症に対する1939年から1949年までの11年間の其の後の状況を報告したい。

著者関連情報
© 1950 日本衛生動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top