衛生動物
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殺虫剤残渣の生物試験法に関する研究 : 第 III 報 Knock down 効力の評価に影響する環境温度について
井上 義郷
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1962 年 13 巻 3 号 p. 206-210

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抄録
殺虫剤の残留処理面のknock down効力を評価する場合, 全く同一の試験方法においても, しばしばKT_<50>値が5〜10倍近くも変動することがあるので, それに関する問題点の検討を行なつてきたが, 残渣のknock down効果を大きく変動させる要因の一つは, その処理面に存在する微量のmoistureであることを実験的に確認し, 第I報ではmoistureの影響とそれに関連するいくつかの条件について報告した.また第II報では, 処理面における残渣の行動とmoistureの意義について考察し, 特に吸収性の処理面では撒布量と有効残渣量とははつきりと区別し, この有効残渣量の変動に関与する条件に注目すべきことを報告した.今回はかかる処理面の残渣の行動に影響するmoistureと密接な関連を持つ環境湿度をとりあげ, その影響に関する検討を行なつたので報告する.なお, この研究の一部は第14回衛生動物学会大会で講演した.本文に入るに先だち, 常々御指導を頂いている朝比奈正二郎博士ならびに安富和男博士に謝意を表する.また供試虫の飼育を担当されている久保田和美氏に感謝する.
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© 1962 日本衛生動物学会
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