衛生動物
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蚊の微細構造 : 6. アカイエカの雄の付属腺について
頓宮 廉正村主 節雄作本 台五郎板野 一男稲臣 成一
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1972 年 23 巻 2 号 p. 129-139

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抄録
雄の付属腺をFig. 1のように3つの部分に分けてその形態を電子顕微鏡で観察した。最外側は一層の筋で被われその内側と外面に基底膜がある。中心部にはせまい内腔が走っていて, anterior zoneにまで精子が入りこんでいる。この内腔には多くの分泌顆粒があって分泌顆粒は次の3つの型がみられる。A型顆粒(G-A) : 一層の膜で囲まれた不定型の顆粒で電子密度が高い部分と空胞状の部分からなる。B型顆粒(G-B) : ほぼ円型で大きさは種々あって中心部は電子密度が高く周囲は空胞状である。C型顆粒(G-C) : 不定型の顆粒で電子密度も種々である。付属腺は一層の上皮細胞からなり, この上皮細胞は中に持っている顆粒の種類によって次の4つの型に分けることができる。I型細胞(C-I) : A型顆粒を分泌し細胞質内には粗面小胞体が良く発達している。II型細胞(C-II) : B型顆粒を分泌する。III型細胞(C-III) : C型顆粒を分泌する。IV型細胞(C-IV) : 分泌顆粒を持っていない。粗面小胞体の他に滑面小胞体が多い。I型の細胞はすべてのzoneに存在するが, II型, III型の細胞はposterior zoneにだけ存在する。IV型細胞は一群をなしてanteriorからposterior zoneにまで分布している。
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© 1972 日本衛生動物学会
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