抄録
西南太平洋地域における衛生上重要な双翅類昆虫の動物地理学的研究を行った際, 1973年12月にインドネシア, 小スンダ列島のフローレス島およびチモール島において, センチニクバエ属に属する2新種を見出した。これら2種はそれぞれの島の固有種で, フローレス島産のものをコイマンセンチニクバエ, Boettcherisca koimani, チモール島のものをチモールセンチニクバエB. timorensisと命名した。これらの2種は各島の村に近い原生林中で, 獣肉や魚肉に誘因された。しかしセンチニクバエと異なり, 海岸や市場では見出されなかった。