抄録
西マレーシアにおいて, 冷凍して殺した後, 野外に放置したアフリカマイマイAchatina fulicaの死骸から, チョウバエ科, ノミバエ科, ハヤトビバエ科, ミギワバエ科, クロコバエ科, キモグリバエ科などに属する双翅目昆虫21種を得た。また, タイ国北部でも, 同様にしてチョウバエ科など4種を得た。これらの発生消長, 発育速度, 寄生蜂などについて報告したほか, 人畜衛生上の重要性についても論じた。発生数が多く衛生上重要と考えられるのは, Coproica hirtula(ハヤトビバエ科), Megaselia curtineura, Spiniphora genitalis(ノミバエ科), Discomyza maculipennis(ミギワバエ科), Hippelates bilineatus(キモグリバエ科)の5種であった。