タイ国内7カ所から得られた8集団について, 12酵素群20遺伝子座の解析から遺伝的関係を調べた。すべての集団はきわめて多型的であり, とくにカンチャナブリ省タラムヤイの集団で多型性の推定平均は再高値を示した。一方, カンチャナブリ省プトイの2集団であるpampanai型のKCHP_pとminimus型のKCHP_mは, 他の集団に比し集団内変異が小さかった。8集団の遺伝的分化をNei氏の遺伝的距離(D)に基づくデンドログラムにより解析した結果, サラブリおよびロエイの2集団は地域的な集団水準にあり, 他の集団は亜種水準よりは低いが地域的集団水準より高い遺伝的分化の関係にあることが示された。