衛生動物
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東洋区およびオーストラリア区におけるマダラハヤトビバエ属の分類学ノート, I.P. pectiniterga (Deeming) および近縁の 2 新種
林 利彦
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1997 年 48 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

Poecilosomella pectiniterga (Deeming, 1964)は非常に特徴的な種であり, ♂の第8腹板の右辺縁に6-12本の強い棘をもつことで容易に同定することができる。本種はインドネシアのChristmas島及びBiak島から記載され, その後スリランカ, インドネシアのFlores島, オーストラリアからも記録されている。英国自然史博物館に保存されている本種の完模式標本を調べる機会があり, 著者の手元にある標本と比較した結果, 従来P. pectinitergaとされていた種には3種が含まれていることが判明したので, 2種を新種として記載した : P. insularis Hayashi, sp. nov.(Biak島, パプア・ニューギニア);P. pappi Hayashi, sp. nov.(スリランカ, ボルネオ);P. pectiniterga(Christmas島)。これら3種は♂の脚の形態, 特に毛や剛毛の違いにより容易に区別できる。

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© 1997 日本衛生動物学会
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