1999 年 50 巻 1 号 p. 19-25
グアテマラ市から130km離れた人口3,100人の農村で186戸の民家を対象にサシガメの生息環境調査を行った。この集落ではBajareque(土と草からなる壁)で作られた家が33%を占め, その73.1%の家にシャガス病媒介虫, Triatoma dimidiataの生息が認められた。ブロックで作られた家も30%を占めたが, T. dimidiataの生息は8.6%にとどまった。Bajarequeでも漆喰が施された場合, T. dimidiataの生息は低下した。T. dimidiataの生息数は寝室の照度が低い場合や小家畜の飼育数に比例した。壁面に付着しているサシガメの糞の数はサシガメの生息数を反映した。T. dimidiataにおけるTrypanosoma cruziの平均保有率は29.3%で2齢以降齢が進むにつれて高くなった。