衛生動物
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気管支喘息患児の生活環境におけるダニアレルゲン除去効果の検討
元木 貢高増 哲也内田 明彦
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2007 年 58 巻 3 号 p. 175-181

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抄録
小児気管支喘息で定期的に通院中の2家庭,3患児について,ダニアレルゲン除去の効果をみるために,寝室の床をコルク張りとし,寝具をすべてダニアレルゲンカットふとん^[○!R](株式会社山静)に交換した.変更後のダニアレルゲン量,患児の症状,治療内容,ピークフロー値,末梢血中好酸球数などを追跡調査して,気管支喘息に対する影響を変更前と比較検討した,コルク床では,ほぼ2μg以下のレベルを維持した,布団は,他のフトンからの汚染とみられたケース以外はダニアレルゲン量5μg/g以下を維持し,特に1年後の1月以降は1μg以下であった.以上の結果,寝室,寝具によるダニ対策を行うことによって,調査期間の4年の長期にわたってダニアレルゲン量はWHOが提唱する感作の閾値2μg以下のレベルをほぼ維持し,気管支喘息の症状改善にも有効であった.
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© 2007 日本衛生動物学会
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