抄録
小児気管支喘息で定期的に通院中の2家庭,3患児について,ダニアレルゲン除去の効果をみるために,寝室の床をコルク張りとし,寝具をすべてダニアレルゲンカットふとん^[○!R](株式会社山静)に交換した.変更後のダニアレルゲン量,患児の症状,治療内容,ピークフロー値,末梢血中好酸球数などを追跡調査して,気管支喘息に対する影響を変更前と比較検討した,コルク床では,ほぼ2μg以下のレベルを維持した,布団は,他のフトンからの汚染とみられたケース以外はダニアレルゲン量5μg/g以下を維持し,特に1年後の1月以降は1μg以下であった.以上の結果,寝室,寝具によるダニ対策を行うことによって,調査期間の4年の長期にわたってダニアレルゲン量はWHOが提唱する感作の閾値2μg以下のレベルをほぼ維持し,気管支喘息の症状改善にも有効であった.