衛生動物
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マレーシアとインドネシア産のTopomyia decorabilis Leicester,1908の再記載
宮城 一郎當間 孝子岡澤 孝雄Charles LEHMohd Sofian AZIRUN
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2007 年 58 巻 4 号 p. 251-259

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抄録

マレーシアとインドネシアで採集されたTopomyia (Suaymyia) decorabilis Leicester,1908,の標本をもとに成虫を再記載,蛹,幼虫は初記載し,近縁種と形態を比較した.また,各期の形態や特徴を図や写真で示した.本種の特徴は大型で,生殖器のgonostylusは単状で分岐していない,paramereが異常に長く,先端が尖っている.また,幼虫の呼吸管は長く,呼吸管毛は発達し,ジグザグに基部から先端に生えている.背側には16〜26本あり,それぞれが3〜11分岐し,腹側には24〜33本あり,それぞれが1〜10分岐していることなども特徴である.本種はマレー半島,東マレーシア,スマトラ島に普通に分布している.幼虫はアリやカミキリムシが穿孔し,開口した小穴(直径2-5mm)を有する青い(生)竹筒内の水溜りに単独で生息し,捕食性で,顕著な口器(maxilla,mandible)を有する.

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© 2007 日本衛生動物学会
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