2017 年 68 巻 3 号 p. 113-117
2015年10月に経口ダニアナフィラキシーと見られる1症例を経験し,その事故品中より,ヒョウヒダニ属の一種Dermatophagoides siboneyを多数認めた.得られた標本の計測では雌の胴体長は平均296±S.D. 35 µm,雄の胴体長は平均256±S.D. 17 µmであり,一般的なコナヒョウヒダニよりも一回り小型であった.雄成虫では第I脚基節条に分離型とV字型が見られたが,その比は47匹:16匹であった.さらに,患者宅の屋内塵中のダニ相を検査した結果,コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニに混ざって本種を認めた.本種は本邦初報告と考えられる.