日本組織適合性学会誌
Online ISSN : 2187-4239
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シリーズ:異種のMHC
ペンギン
津田 とみ猪子 英俊
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2001 年 8 巻 1 号 p. 47-52

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抄録

鳥類でのDNA研究はシブリーらによるDNA-DNAハイブリダイゼーションによる解析を経てその後多くはミトコンドリアDNAによる研究がすすめられてきた. 第4回の国際ペンギン会議(2000年9月, チリ)での演題も多くはペンギンの行動生理学や繁殖保護に関するものであり, DNAの分析の手法を用いた発表は, ミトコンドリアDNA, マイクロサテライトと私たちのペンギンMHC(Major Histocompatibility Complex主要組織適合抗原複合体, MHCと略す)の3件であった. いずれも参加者から高い関心と期待を寄せられた. MHC解析の有用性が関心を呼んだのだろうか, MHC分析をしてみたいとのいくつもの申し出があった. ペンギン研究の舞台へのMHCの初登場は成功をおさめたようである. 本稿では, MHCの舞台でペンギンとペンギンMHCを含めたペンギンDNA研究の現況を披露したいと思う.

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© 2001 日本組織適合性学会
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