PCR-SSOP法を用い, 日本人の多数検体のタイピングに適したHLA-DNA検査法を開発した. 洗浄温度をそろえたHLA-A, B, DRB1それぞれ13, 24, 17(合計54)種のプローブを用いる事により, 日本人集団で頻度が0. 1%以上のアリルをホモヘテロ接合とも血清学レベル以上で判定できた. アリルや血清型の異なる約100の既知検体を1つの例外を除き正しく判定できた. その1例は, HLA-AのPCRプライマー認識部位に変異が見出されたが, この変異体を考慮した混合プライマーに改良することにより正しく判定できるようになった. また, 精製DNA検体のみならず, 濾紙採血検体からのタイピングも可能だった.