2010 年 26 巻 2 号 p. 89-95
様々な環境中に生息するRubritalea属細菌は,16S rRNA遺伝子塩基配列では区別できない多数の種を含んでいる.本研究では,これまでに知られているRubritalea属の菌種および今回新たに分離した6株についてgyrB遺伝子による系統解析を行った.その結果,16S rRNA遺伝子塩基配列より,gyrB遺伝子塩基配列の方が系統解析上高い解像度を示した.さらに,ゲノムDNA交雑実験や生化学実験の結果もgyrB遺伝子塩基配列に基づく系統解析の結果を支持した.本研究の結果からgyrB遺伝子は ‘Verrucomicrobia’ 門に属するRubritalea属の系統解析に適していることが明らかになった.