日本微生物資源学会誌
Online ISSN : 2759-2006
Print ISSN : 1342-4041
原著論文
モデル生物Cyanidioschyzon merolae NIES-3377におけるコンタミネーション
鈴木 重勝大田 修平田辺 雄彦
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2025 年 41 巻 2 号 p. 45-55

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抄録

Cyanidioschyzon merolaeは世界中の酸性温泉に生息する好熱性単細胞紅藻である.本種は細胞当たり1つの色素体,ミトコンドリア,ゴルジ体をもつなど,単純な細胞形態を有する.そのゲノムは真核藻類のなかで初めて解読され,ギャップのない完全長ゲノム(16.5Mbp)が利用可能である.また,同調培養系や形質転換系も開発されている.これらの特徴は,本種が分子細胞生物学の実験生物として優れていることを示している.特に,最初にゲノム解読が行われた10D株が,多くの研究室で広く用いられている.しかしながら,これまでこれらの株の純化についてはほとんど注意されてこなかった.本研究では,10D株の無菌株であるNIES-3377株に異なる単細胞性紅藻のGaldieria partitaが混入していたことを明らかとした.さらに,系統解析により,このGaldieria株はおそらく10D株の原産地に由来するものではないことが示唆された.本株は系統保存施設に寄託される以前の継代培養の過程で混入した可能性がある.このことは,特に形態的に類似する単細胞性紅藻において,培養株の確立やその維持における品質管理の重要性を強く示している.

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