1967 年 1967 巻 13 号 p. 15-22
画質特性としての(1)鮮鋭度, (2)粒状性, (3)階調(コントラスト), これらについては画像形成の段階ではMTFの取扱いがなされている。これを最終的に評価する視覚系もMTFで取扱うことができれば一貫した評価を行なうことができる。
今回は視覚系め正弦波レスポンスについて我々の実験を含めてレビューを行ないその中から問題となる点を拾いだした。又受容器であろ視覚系の明るさおよびコントラストに対する反応特性を概観し,視覚系のlinearity に言及した。
視覚系は刺激の大きな範囲でlinearityを仮定することはできなもない。しかし再現系を通信路と考えて画像の伝達あるいは評価を行なう場合はいくつかのパラメーターを導入してlinearityの成立つ刺激範囲を規定しそれにもとづく標準の正弦波レスポンスを定めることが必要であるが視覚系のメカニズムの解明ではhinearityの成立は必ずしも必要としない。