抄録
放射線計測に毒いて,シンチレータと光電子増倍管(以下PMTと略す)の組合せは最も多用されている検出器の1つである.その理由は,高効率のシンチレ一タと,PMTの低雑音・高増倍率の2次電子増倍器が動作し,優れた検出効果を発揮するからである.しかし,これらが最良の動作をするためには両素子の特性が整合している必要があり,また,それを補佐する使用条件・周辺回路を必要とする.
この検出器の今一つの特徴は常温動作を可能にしていることであるが,これは同時に周囲温度の変化に対して安定でなくてはならないことを意味する.ここでは,シンチレーションカウンタにおけるPMTの動作と周辺回路による温度特性・リニアリティ特性の補完法について述べる.