Medical Imaging Technology
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特集/皮膚科学における画像処理技術
皮膚の水分油分の高感度可視化
江川 麻里子
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キーワード: , イメージング, 近赤外, 皮膚,
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2012 年 30 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

皮膚の水分や油分の測定には,電気的手法など間接的な測定法が広く用いられている.近年,1460nm付近のOH基の近赤外分光画像を用いて皮膚の水分を可視化する試みがなされてきたが,OH基の吸収が保湿剤やタンパクの官能基と重なるため,顔面の水分量の微小な変化の検出は難しかった.また,水分や油分の高感度検出には,カメラの波長特性や感度に加えて,対象物にいかに均一に再現性よく近赤外光を照射できるかが重要になる.筆者らは,1920nm付近の近赤外領域でもっとも強いOH基の吸収領域で近赤外分光画像を得るため,近年開発されたExtended-InGaAs近赤外カメラに,新規に開発した顔面全体に均一に光を照射することができる専用拡散照明を組み合わせ,簡便で操作性のよい水分・油分高感度可視化システムを開発した.このシステムを用いることにより,化粧品塗布後の皮膚状態をリアルタイムで可視化し,水分量や油分量を数値化し,簡便に評価することが可能となった.

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© 2012 日本医用画像工学会
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