2012 年 30 巻 5 号 p. 231-235
単純CTにおける急性期脳梗塞の診断では,虚血によるCT値低下に伴う灰白質と白質の境界の不明瞭化を同定することが重要である.しかし,CT画像上の量子ノイズの影響によって,その同定がしばしば困難となり,急性期脳梗塞の検出率が問題となっている.この問題を解決するために,我々は,適応型部分メディアンフィルタ(adaptive partial median filter: APMF)を提案した.そして,APMFの有用性を検証するため,シミュレーション画像と臨床画像を用いた評価実験を行ってきた.本稿では,APMFの概要とその性能,さらに臨床的有用性について実験結果を基に紹介する.