Medical Imaging Technology
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研究論文
ディープラーニングを用いた胸部CT像中の肺結節の画像所見の検出および良悪性鑑別
福嶋 一茂平野 靖木戸 尚治岩野 信吾
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2019 年 37 巻 5 号 p. 244-254

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抄録

近年,コンピューター診断支援(computer-aided diagnosis; CADx)システムに関する研究では,ディープラーニングが使用される機会が多くなってきており,従来よりも高い性能を示すことが報告されている.肺結節の良悪性鑑別のためのCADxシステムでも同様の傾向があるが,それらはCT像などを入力とし,良性あるいは悪性の尤度のみを出力するか,クラス分類するものが一般的である.一方で,患者に対して医師が肺結節の診断結果を説明する際には,良悪性の尤度だけでは不十分であり,診断結果の根拠を説明することが求められる.そこで本研究ではディープラーニングの一形態であるCNN(convolutional neural network)を用いて,CT像中の肺結節が悪性であることを示唆する画像所見の存在の尤度を診断の根拠として提供し,さらにそれらの尤度を入力とするNN(neural network)によって良悪性の鑑別結果を医師に提供するCADxシステムの構築を行った.55個の良性結節と120個の悪性結節を用いて本手法の性能を評価した結果,識別率は79.02±8.43[%]となった.

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© 2019 日本医用画像工学会
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