2020 年 38 巻 2 号 p. 75-80
PET(positron emission tomography)やSPECT(single photon emission computed tomography)といった核医学的画像診断手法は,放射性同位元素によって標識されたトレーサー薬剤から放出されるガンマ線を検出する装置とCT(computed tomography)技術を融合することによって,生体内のさまざまな分子機能をイメージングすることができる.そのため,動物実験から臨床まで,現在の医療には必要不可欠なイメージング技術である.本講座では,PETより感度の点で劣るものの,安価で手軽に検査が実施できるため広く普及しているSPECTの基礎について3回にわたって連載する.第1回目の今回はSPECTの概要について述べる.