2024 年 42 巻 5 号 p. 145-154
Perfusionによる肺血流解析は,モデル有り・モデル無しの2種類に分けられる.モデル有り手法は生理・物理的に妥当な結果を得られるが,条件設定が厳密で扱いが難しい.一方,モデル無し手法は簡便だが,系の性質を表すインパルス応答を,入力と出力の関係から逆問題を解くため1入力解析に限定されていた.本研究では,簡便性と精度を兼ね備え,多入力系解析を可能とするモデル無し手法を提案し,解析の標準化を目指す.提案手法では,インパルス応答を深層学習アルゴリズムにより順問題に沿った形で定式化し,直接推定することで多入力解析を実現した.比較実験の結果,提案手法は実装が簡単であること,雑音の影響を受けやすいものの,実測のSNR の範囲では推定誤差が少ないことが確認された.一方,多入力解析の場合,モデルがないため血流成分同士が相互干渉し,精度が低下する欠点があることがわかった.