Medical Mycology Journal
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原著
新しい血中 (1→3)-β-D-グルカン測定試薬-ファンギテック® GテストMKⅡ「ニッスイ」-の性能評価
大林 民典杉本 篤瀧川 千絵関谷 紀貴長澤 准一尾崎 喜一
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2015 年 56 巻 2 号 p. J73-J79

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抄録

 血中 (1→3)-β-D-グルカンの測定依頼があった 415 件の残余試料を用いて,新製品ファンギテック® Gテスト MK II 「ニッスイ」と,生産中止となったファンギテック® Gテスト MK を比較・検討した.両者の最大の違いは,旧製品では東アジア原産のカブトガニ Tachypleus tridentatus の血球由来の原料が使われていたのに対し,新製品では北米原産のカブトガニ Limulus polyphemus が使われている点である.両試薬の測定範囲 (いずれも4.0 pg/ml~500 pg/ml ) において,新試薬の旧試薬に対する Passing-Bablok 回帰係数は 1.065 (95%信頼区間 : 1.015~1.111),y 切片は-0.287 (95%信頼区間 : -0.667~0.118) と,ほぼ 1 対 1 の対応がみられた.一方,個々の検体についてみると,乖離を示すものも少なくなく,β-グルカンの側鎖の多様性に対するカブトガニの種による反応性の違いが原因の一つと推測された.しかし,深在性真菌感染の関与が疑われた 40 検体についても回帰直線の両側に偏りなく分布していたこと ( χ2 =0.9,φ=1,p=0.34),また両試薬ともカットオフ値 20 pg/ml を切るとそのような検体の出現が激減することから,ファンギテック® Gテスト MK II 「ニッスイ」は MK と概ね同等であり,後継試薬として問題ないものと考えられる.

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© 2015 日本医真菌学会
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