抄録
日本列島とその周辺に発生する地震の余震活動の予報可能性について検討した。最初に、大森の公式と Gutenberg and Richter の関係式とから余震発生の危険度関数を導いた。この危険度関数には4つのパラメータが含まれる。それらのパラメータの値を、1969-1990年の期間に発生した47個の地震の余震系列についてそれぞれ評価した。次に、余震系列は非定常 Poisson 過程であると仮定し、パラメータについては47個の地震の余震系列の平均値を用いて、日本列島とその周辺の地震に関する平均的な余震発生確率を計算した。いくつかの地震について、実際に観測された余震活動と予測値を比較したところ、両者の一致はかなり良いことがわかった。予報精度を更に高めるためには、余震発生の危険度関数に含まれる4つのパラメータについて、地震のタイプや地域による違いを考慮に入れる必要があろう。