Papers in Meteorology and Geophysics
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  • 安藤 忍, 小林 昭夫
    2023 年 71 巻 p. 1-11
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/05
    ジャーナル フリー

    日本の南西部にある南海トラフ沿いでは、大規模な地震が繰り返し発生しており、近い将来次の地震が発生すると考えられている。これらの地震活動はフィリピン海プレートのユーラシアプレート下への沈み込みに関係しており、プレート境界の固着は大地震の源となり、その周辺に地殻変動をもたらす。したがって、この地域の地殻変動を理解することは、プレートの結合状態の変化を検出し、巨大地震を理解・監視するために重要である。ここでは、陸域観測技術衛星フェーズドアレイLバンドSARのデータを用いて、干渉SARの時系列解析を行った結果を紹介する。データは2007年から2010年までと2014年から2022年を収集し、アセンディング軌道とディセンディング軌道の両方について解析した。結果的に、プレート沈み込みに伴う広範な地殻変動は、前期の解析では見られず、後期の解析で見られるようになった。この理由は、衛星軌道の精度の違いによるものと考えられる。

  • 小林 昭夫
    2023 年 71 巻 p. 13-23
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/05
    ジャーナル フリー

    南海トラフ地震の地殻変動監視のためには、スロースリップイベントを客観的および即時に検知することが重要である。大きな地震が発生した場合には、一般にその周辺で余効変動が観測されるが、余効変動によりスロースリップイベントによる変動が隠されてしまう場合がある。本研究では1996年に発生した日向灘の地震に伴う余効変動を補正することにより、1998~2001年に発生した日向灘南部のスロースリップイベントを検出した。すべりの中心は宮崎・鹿児島県沖にあり、規模はMw 6.7相当であった。また、GNSS日値の処理の中で2011年東北地震以降に短期的なばらつきが大きくなった原因を特定・改善し、東海から豊後水道までだった長期的スロースリップの客観検知領域を日向灘に拡張した。

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