抄録
1987年と1990年にVerkleyは、大気ブロッキング現象のモデルの一つとして球面上のモドンを構成した (以下、87モドン及び90モドンと言う)。これら二つのモドンは球面上の順圧渦位方程式の厳密解として独立に提出された。この報告では、87モドンに含まれている助変数κ2が零に近づく時、87モドンは連続的に90モドンヘ変化する事が示される。ここで助変数κ2は、モドン内部領域に於ける-dQ/dΨの値であり、Qは渦位、Ψは流線関数である。
定常解の安定性を調べるのにアーノルド不変量が有用である事は良く知られている。アーノルド不変量は87モドンに対しては存在するが、90モドンに対しては定義されない。しかし、90モドンが87モドンのκ2→0の極限である事により、十分小さなκ2に対する97モドンのアーノルド不変量を使って、90モドンの安定性を調べる事が可能となる事が示される。