Papers in Meteorology and Geophysics
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大気中の炭酸ガスの循環におよぼす南極の海水と海氷の役割り
三宅 泰雄松尾 禎士
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1963 年 14 巻 2 号 p. 120-125

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抄録
南極海の海氷中に含まれる空気中の炭酸ガス含量は,筆者らの分析によると,標準状態で0.1~0.5ml/kgである.一方鳥居らによると南極海の海水中の炭酸ガスの分圧は6×10-4気圧に達する.夏季の南極海の海水および海氷から放出される炭酸ガスの量を推定した.計算結果によると炭酸ガスの放出による空気中の炭酸ガス濃度の増加は小さいが,海氷および海水からの炭酸ガスの全放出量はそれぞれ 1.8×1013g/yおよび1.2×1014g/yである.これらの量は,大気中の炭酸ガスの地球化学的サイクルに対して重要な寄与をしている各極の炭酸ガス源からの放出量と比較しうる量である.
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© 気象庁気象研究所
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