抄録
マツタケの菌糸体生育に及ぼすトレハロースの影響とトレハラーゼ活性
Effect of trehalose on the vegetative mycelial growth and its hydrolyzing enzyme,
trehalase activity
*楠田瑞穂1)・淀野亮祐2) ・上田光宏1)・白坂憲章2) ・山中勝次3) ・宮武和孝1) ・寺下隆夫2) (1)大阪府立大・生資循環工研;2)近畿大学農;3)京都菌類研)
Title of presentation,by *M. Kusuda1)・R. Yodono2) ・M. Ueda1)・N. Shirasaka2) ・K. Yamanaka3) ・K. Miyatake1) ・T. Terasita2) (1) Lab. of Biocycle Engineering, Osaka Prefecture Univ.; 2) Fac. of Agr., Kin-ki Univ.; 3) Kyoto Mycological Inst.)
マツタケ菌糸体はグルコース(Glu)、フラクトース、二糖類ではラクトース、マルトース、セロビオース、トレハロース(Tre)、多糖類のデンプンなどで比較的良好な生育を示す。演者らはこれまでは菌糸体生育のためのGlu供給について検討し、マツタケの糖質基質分解酵素系の特徴と子実体形成を困難にしている酵素生産系の欠陥を明らかにしてきた。今回はGlu2分子からなり、菌糖と呼ばれるマツタケのTreとその生産酵素系について検討したので報告する。
使用菌株は針葉樹アカマツ由来のT. matsutakeZ-1株を用いた。培養は浜田マツタケおよびマツタケ改変液体培地で検討した。その結果、浜田液体培地のGluをTreに替えて培養すると、Gluの約1.5倍よりも生育が良くなった。また、Glu基質では4%以上で生育抑制が認められたが、Treでは、8%でもなお生育は濃度の増加に伴って良くなった。菌体外トレハラーゼ活性はTre基質とGlu基質とではかなり違った変化を示した。を液体培養した大量の静置培養液からこのトレハラーゼの精製を試みた。得られた部分精製酵素(比活性111倍)についてその性質を調べたところ、活性最適温度35~40℃、最適pHは4.5~5.0の酸性トレハラーゼで、Agイオンで活性化され、Cu,Mn,Znイオンでは阻害された。
現在、この酵素の完全精製を試みている。