日本菌学会大会講演要旨集
日本菌学会第53回大会
セッションID: B5
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アンズタケ目きのこにおけるdehydrocrepenynic acid の分布と分類
*広井 勝
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抄録
(目的)近年きのこの分類は形態的なものからDNA分析にもとづく分類体系に変化してきている。演者は既にアンズタケ類似きのこの脂肪酸組成の分析を行い、アンズタケ目きのこには共通してデヒドロクレペニン酸(以下DCAと略す)が高い組成比で検出されることを認めてきた。そこでこれらを再確認するとともに、形態的にアンズタケ目きのこと類似しているいくつかの科、属のきのこについてDCAの分布と分類群との関連を検討した。 (方法)アンズタケ目のきのことしてはアンズタケ属、クロラッパタケ属、カレエダタケ属、カノシタ属、ヒメハリタケモドキ属(Sistotrema)のきのこを対象に分析を行った。脂肪酸組成の分析は、子実体よりクロロホルム:メタノール(2:1)混液で脂質を抽出後、塩酸メタノールでメチル化しガスクロマトグラフィーで行った。DCAの同定はガスクロマトグラムの保持時間やGC-MSにより行った。 (結果)アンズタケ属、クロラッパタケ属などアンズタケ科のきのこにはいずれもDCAの存在が確認された。カレエダタケ属のきのこにも高い組成比でDCAが存在していた。カノシタ科のきのこではカノシタ、シロカノシタのDCAの組成比は高いが、ヒメハリタケではその割合が低かった。ヒメハリタケは小型のシロカノシタと混同されがちであるが、子実体に褐色のしみを作りやすい特徴がある。ヒメハリタケモドキSistotrema confluensはヒメハリタケに似るがさらに小型種で、このきのこにも高い組成比でDCAが認められた。アンズタケ目に形態の類似しているきのこであるラッパタケ科、ホウキタケ科、シロソウメンタケ科などのきのこにはDCAは見られなかった。
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© 2009 日本菌学会
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