グラフェン層間に閉じ込められた水が2 次元平面内に形成する不均一な自己組織構造を,分子動力学(MD) シミュレーションにより調べた.水の強い局所化の傾向が,グラフェンの曲げ剛性によるエネルギーコストに打ち勝ち,グラフェンのシワを伴う2次元液滴「ドリプロン(Dripplon)」を形成することがわかった.このドリプロンの生成現象は,グラフェンの曲げ剛性に基づく界面のエネルギーコストを考慮したモデルによりよく説明することができる.平面内でのダイナミクスについても解析し,ドリプロンを構成する水分子および炭素原子を次々に入れ替えながら運動することを明らかにした.