アンサンブル
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最新号
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特集
  • 高橋 和義
    2019 年 21 巻 4 号 p. 251
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    今回の特集ではこの長距離相互作用の効率的な計算手法について,基礎から応用例までが解説・紹介されている.慶應義塾大学の三上益弘先生による記事では,周期境界を生かした最も基本的な長距離相互作用計算手法であるEwald法について,一般化形式であるEwald-Bertautの方法,ならびにその二次元系への応用(Parryの方法)を解説頂いている.また,BarnesとHutにより提案された階層的アルゴリズム(Barnes-Hut Tree)に端を発する多重極子を用いた長距離相互作用計算手法についても記載されている.この記事に目を通せば,当該分野にて支持されている主要な手法のあらましを知ることができる.特に初学者の方にとって大変参考になる資料となることが期待される.

  • 三上 益弘
    2019 年 21 巻 4 号 p. 252-257
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    分子シミュレーション(分子動力学法,モンテカルロ法)の計算において,多くの計算時間を消費する計算処理は原子に作用する力又はポテンシャルエネルギーである.その中でも,逆冪で減衰するクーロン力の計算は最も計算時間を必要とする.そのため,クーロン力の高速計算法の開発は,古くから始まった.Ewaldは,1921年にエバルト法を開発したが,コンピュータが誕生する以前だったので,本格的に利用が始まったのは1971年に溶融塩の分子動力学シミュレーションからである.その後,粒子メッシュエバルト法などが開発されたが,根本的に異なる方法は,もう一つの逆冪力である重力を用いる天体力学の分野で開発された,高速多重極子展開法である.ここでは,この二つの長距離力の高速計算法の基礎について述べる.

  • 吉井 範行
    2019 年 21 巻 4 号 p. 258-264
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    本稿では静電相互作用計算アルゴリズムである高速多重極展開法(fast multipole method, FMM)について解説する.FMMは,原子数Nの系の静電相互作用をNのオーダーの計算量で求めることができる,いわゆるO(N)アルゴリズムである.並列計算におけるMPI通信や計算量の観点から,高並列コンピュータを用いた大規模系のMD計算においてその有効性を発揮する.ここでは,GreengardとRokhlinによって示された球面調和関数でなく,solid harmonicsを基底関数として用い,簡潔な形のFMM表式を示す.

  • 高橋 和義
    2019 年 21 巻 4 号 p. 265-269
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    Wu & Brooksによって2005年に開発されたIsotropic Periodic Sum(IPS)法は,周期的反応場を導入することで長距離相互作用の寄与を近似的に2体間相互作用に取り入れる相互作用計算手法である.本稿では,IPS法の改良版であるLinear-combination-based Isotropic Periodic Sum(LIPS)法の適用事例を中心に紹介する。

連載
  • 三上 益弘
    2019 年 21 巻 4 号 p. 270-276
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    分子動力学法(以下,MD法) は,モンテカルロ法とともに,統計力学の数値解法である.モンテカルロ法は,統計力学の物理量の期待値の公式を,ボルツマン分布を実現する乱数を用いた数値積分により求める方法であり,分子動力学法に比べてより直接的に統計力学と結びついている.一方,分子動力学法は,エルゴード仮説により,分子動力学法で計算される物理量の時間平均値が統計力学で定義される物理量のアンサンブル平均と等しいという仮定の下に統計力学の数値解法となっている.今回は,等温等圧アンサンブルと数値積分法の基礎とその計算方法について説明する.

  • 志賀 基之
    2019 年 21 巻 4 号 p. 277-282
    発行日: 2019/10/31
    公開日: 2020/10/31
    ジャーナル フリー

    近年の大型並列計算機の発展とともに分子シミュレーションと電子状態計算を統合した第一原理シミュレーショ ンが普及し,国際標準になりつつある.これを用いて,従来では扱えなかった複雑な化学反応動力学や,光吸収 や電磁場応答のような電子状態由来の物性などを対象に,さまざまな応用研究が広まっている.本稿では,密度 汎関数理論およびその基礎となる Kohn-Sham 法について,分子シミュレーションとの接点を少し意識しながら 再考したい.

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