特集
高速多重極子展開法（FMM）
2019 年 21 巻 4 号 p. 258-264
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2019 年 21 巻 4 号 p. 258-264
本稿では静電相互作用計算アルゴリズムである高速多重極展開法(fast multipole method, FMM)について解説する．FMMは，原子数Nの系の静電相互作用をNのオーダーの計算量で求めることができる，いわゆるO(N)アルゴリズムである．並列計算におけるMPI通信や計算量の観点から，高並列コンピュータを用いた大規模系のMD計算においてその有効性を発揮する．ここでは，GreengardとRokhlinによって示された球面調和関数でなく，solid harmonicsを基底関数として用い，簡潔な形のFMM表式を示す．
