2020 年 22 巻 1 号 p. 61-66
樹脂と金属の接着は産業の至る所で用いられている.樹脂と金属の接着性を高める方法として金属表面の粗化処理があり,その中でも近年ナノレベルの空孔を形成する方法が注目を浴びているが,樹脂分子と空孔のサイズが近くなるため,空孔への樹脂の充填性が課題となる.本稿ではアルミニウム表面に形成された円筒状のナノ空孔へのエポキシ樹脂オリゴマーの充填挙動について,これらのサイズ比の依存性および,充填時の空孔周辺の応力分布の関係を全原子分子動力学 (MD)シミュレーションによって解析した結果を示した.