抄録
2種類の粒径の微粉単粒子を縦型の層流炉に供給し, 酸素中で1073から1223Kの温度範囲で燃焼した。燃焼粒子の未燃率と炉内滞留時間には直線関係があり, 燃焼速度が速い領域と遅い領域に分けられた。大粒子において, 粒子の分裂が観察される燃焼初期段階では, チャー燃焼と揮発分燃焼が同時に生じ, 燃焼後期でも粒子中に揮発分が残留した。XPSによる分析により, 粒子表面の高い酸素濃度から初期段階でチャー燃焼が生じることがわかった。C1sスペクトルから表面には3つの酸素と炭素の結合が観察された。これらのうちC-O結合がチャー燃焼に密接に関係しており, 表面からのCOの脱離が燃焼反応を律速していると考えられる。