抄録
新生児エリテマトーデス(NLE)児を出産した母親18人の抗Ro/SSA抗体および抗La/SSB抗体の抗体価の測定を行い,Ro/SSAおよびLa/SSBに対する免疫応答を解析した.さらに副腎皮質ホルモンの内服投与によるNLE発症予防の有効性についても検討した.なおDID,ELISAにおいて抗Ro/SSA抗体陽性を示しながらNLE児を出産しなかった母親10人をcontrol groupとし,同様に測定した.測定はブタ脾臓臓器抽出液を抗原としたdouble immunodiffusion(DID),およびRo/SSA-52kd,Ro/SSA-60kd,およびLa/SSB-48kdリコンビナント抗原を用いたenzymelinked immunosorbent assay(ELISA)により行った.結果として,抗Ro/SSA抗体と抗La/SSB抗体がともに陽性であればNLE児を出産する危険性が高く,逆に抗Ro/SSA抗体のみ単独に陽性で,さらに抗体価が低い場合は健常児が生まれる可能性が高いと考えられた.また抗Ro/SSA抗体,特に抗Ro/SSA-52kd抗体がCHBの発症に関与している可能性が高く,抗La/SSB抗体が高力価であればskin lesionとして発症する可能性が高いと思われた.さらに,副腎皮質ホルモンの内服投与はCHBの場合,妊娠16週以前から投薬されると有効性が高く,一方skin lesionには無効であると推測した.