抄録
半水セッコウ, スラグ, 植物繊維 (とうもろこし) の5 : 3 : 2の比率の複合体硬化物, また, そのセッコウの一部を石灰, ボルトランドセメントで置換した複合体, さらに, その植物繊維をスチレン-アクリル酸ラテックスで前処理した複合体について, セッコウ建材としての物性を比較した.繊維前処理の複合体が強度, 吸水性,寸法安定性などをいちじるしく改良することを示した.その強化機構はスラグの潜在水硬性が複合成分の反応によって発現してゲル状のCSHを生成し, また, ラテックスによつて複合物層間の界面結合強度がいちじるしく増大することによることをのべた.