抄録
下水道資源の有効利用において, 汚泥焼却灰を高品質なセメント原料として改質するためリン含有量を低減することを検討した.灰から除去されたリンはリソ酸カルシウムとして回収した・アルカリ溶出後の灰はリソが46%, アルカリ溶液中に溶出した.溶出後の灰の重量は14%減少したがこれはリンとアルミニウムが選択的に溶出したことに起因することがわかった.回収したリン化合物はリンを12%含んでおり, 100%クエン酸溶性であった.カドミウム, 砒素は肥料取締法の重金属の規制値を下回っており・ニッケル・クロム, 鉛, 水銀については定量下限値以下であった.肥料として, 回収したリン化合物は植物に対して害がなく, 作物への重金属の蓄積もないことが確認された.マンガン, 亜鉛の含有量については市販されている肥料 (過リン酸石灰, 熔せいリン肥) を使用して育てた作物よりも低かった.ナスにおいては, リン回収物は過リン酸石灰, 熔せいリン肥の半分の使用量で同じ肥料効果が得られた.リソ回収物の使用量を多くするほど収穫数や収穫量は増加することが確認された.