Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
非晶質リン酸カルシウムから多孔質リン酸カルシウム系骨補修材の作製
遠山 岳史三澤 啓子安江 任荒井 康夫
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2000 年 7 巻 284 号 p. 19-25

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抄録

多孔質リン酸カルシウム系骨補修材の作製条件について検討した.骨補修材の作製は液相合成で生成した非晶質リン酸カルシウム (ACP) を500℃で加熱脱水して得られる非晶質リン酸三カルシウム (ATCP) を原料とし, 骨材に長径50μm程度の水酸アパタイトホイスカー, 酸により溶解し発泡する炭酸カルシウムを発泡剤として混合して, キトサンを含有したクエン酸溶液を用いて混練することにより行った.
骨補修材の圧縮強さおよび曲げ強さは, 骨補修材中のキトサン含有量の増大により増加した.また, 炭酸カルシウムを添加することにより骨補修材の圧縮強さは増大するが, 過剰の添加では減少した.すなわち, 多孔質骨補修材の最適作製条件は, HAp/ATCP重量比0.4, 水/固体重量比1.5, キトサン濃度4.0 mass%, クエン酸濃度2.0mol・dm-3, CaCO3/ATCPモル比0.09であり, 100 μm程度の平均気孔径をもつ骨補修材が得られた.また, 水和硬化後の生成物はリン酸八カルシウム (OCP) やリン酸一水素カルシウム二水和物 (DCPD) であり, 炭酸カルシウムの添加は大形気孔の形成のほかに, ATCPの結晶化を促進することが明らかとなった.また, 多孔質骨補修材の硬化機構についても検討した.

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