人類は昔から材料を再利用してきたが, 最近ではものが豊富にありすぎて再利用しないで焼却している.そのため大気中のCO2が増加する傾向にある.本論文は, この傾向を逆転するための方法の一つとして, 廃品からSiCを作成する方法を報告する.Siとしては単結晶のシリコンからシリコンウェハーを作成するさいの削りかすを用い, C源としてはもみがら, 麦がら, 新聞紙コピー用紙, 雑誌, ミルク用パックを用い, 基準炭素として天然黒鉛を用いた.C源については還元雰囲気で焼成して炭素化物とし, それを酸素雰囲気で焼成して利用可能な炭素分を求めた.Siと炭素化物を混合して成形し, 炭素中に埋めて焼成 (反応) した.得られた生成物の評価をX線回折などで行った.炭素化で残るものが一番多いのはもみがらで, 少ないのはミルク用パックであった.もみがらには良く知られているようにSiが多く, 麦がらにはKが多く含まれていた.炭素化物とsiの反応生成物はSiCやSiO2であったが, 高温で焼成するとSiCだけとなり, 2000℃では天然黒鉛とSiCの場合とほぼ同量のSiCが得られた.