Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan
Online ISSN : 2185-4378
ISSN-L : 1345-3769
重油燃焼飛灰中のニッケル成分の回収
三浦 啓一野崎 賢二磯村 弘隆橋本 和明戸田 善朝
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2001 年 8 巻 291 号 p. 132-138

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抄録
重油燃焼灰からニッケル成分を回収することが本研究の目的である.ニッケルイオンの浸出および溶媒抽出法によるニッケルイオンの回収の最適条件について検討した.その結果, つぎのような知見を得た.
硫酸塩の含有量が多い重油燃焼飛灰からニッケルイオンを浸出させるための浸出剤として, アンモニア水溶液がもっとも適している.
ほとんどすべての種類のケロシンを希釈剤として用いることができることがバーサチック酸の利点である.
pHを制御することにより, 浸出液からマグネシウムイオンを抽出することなく, ニッケルイオンを抽出することができる.
pHを制御してもマグネシウムイオンが抽出される場合でも, 逆抽出工程の前にニッケルイオンを抽出した有機相を希硫酸で洗浄する工程を導入することにより, 逆抽出工程からマグネシウムイオンを含まない硫酸ニッケル溶液を回収できる.
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© 無機マテリアル学会
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